2014年02月17日

色鉛筆。正統派静物画を描く。


ちょっと風景画の方はお休みしていますが・・・・。

最近、静物画を描いていますが、まぁ私なりというか自分の好きな物を並べて描いているだけなんですけどね。

ここで、ちょっと正統派の静物画を描いてみたくなりました。

静物画というモチーフはそれこそ様々な巨匠が洋の東西を問わず描いているわけです。

そんな中、今までに私がもっとも感動したのが、17世紀のオランダ絵画。

当時のオランダ絵画、特に人物画はフェルメールやレンブラントが有名ですね。

2012年にオランダ・マウリッツハイス美術館の展覧会が日本の東京都美術館で行われました。

そこには上記のフェルメールの有名な少女も来ていたんですが、私は当時の風俗画や静物画が面白くて、そちらをじっくりと鑑賞しました。

そんな中でもピーテル・クラースの静物画は大変静謐そして緻密で、カメラの無い時代における肉眼観察力の高さに驚愕しました。


で、今回ちょっとピーテル・クラースへのオマージュ的に描けないか?と描いてみたわけです。

実際には描く前のセッテッィングが大変でした。

典型的純日本風ウサギ小屋の我が家・事務所では、かの時代の雰囲気など出せるわけも無く・・・。

並べるべき小物類もオシャレなものなどありません。

食器棚やウィスキーの空ボトル、絵の教室用に買ってあった100均のガラス瓶などを並べて、台所にあった果物を持ってくる。

当時の静物画に多く描かれた燭台とろうそくも、せいぜい仏壇用くらいしかない・・・。

典型的日本人の宗教行事(神社に初詣、法事は仏教、クリスマスに憧れ)しか経験ないので、キャンドルはまだしも燭台なんてないのです。

そこで、スポットライト型のスタンドを灯してみたり・・・。

ところが光量弱くてあまりかっこよくない。

ライティングで少しでも何とならんか?と工夫するも中々決まらず・・・。

結局白熱灯をもう一つ持って来て、対象物を並べるところに環境光的に当たるように調整。

これで何とか体裁が整えられたかな。

残念ながら17世紀の彼らほどの観察眼を持ち得ない私は、ここで数十枚の写真を撮影。

そしてざっくりとスケッチ。

ここから描き始めると速かった。

約4日間で完成。

絵は止めどころが難しいんですが、静物画は特に難しいですね。

描いても描いてもまだ足りない気がするんですが、もともと短期決戦型なので悩み始める前にすっぱりと止めます。

さて、いかがでしょう?

とてもピーテルには追いつけませんが、少なくとも油絵の中でも大丈夫な出来にはなったかな。

「Reflection and transmission」

20140212.jpg

サイズ B3(515mm×364mm)
制作日 2014年 2月
支持体 KMKケント紙
画材 カリスマカラー/三菱ペリシア
posted by Ryota at 06:33| Comment(5) | TrackBack(0) | 色鉛筆画/イラスト
この記事へのコメント
うーん、絶妙な描き込み具合ではないでしょうか。
質感表現の巧みさはもちろんですが、ガラスや金属にも有機的なものを感じます。これはRyotaさんのタッチの特徴なのかもですね。
物撮り専門のカメラマンの方が「ライティングが最も重要」と言っていました。絵の場合はもっと自由な光の表現もあるように思います。写実を超えた「すてきなウソ」が許されるみたいな。
Posted by yoyo at 2014年02月17日 22:59
yoyoさん、ありがとうございます!
正直、ライティングにかなり時間を掛けましたが、絵の方の光表現は相当「ウソ」が多いですね。影をあえて濃くしたり削除したり。
実際はもう少し暗いかもしれません。
Posted by Ryota at 2014年02月18日 16:39
今回の静物画も男っぽくってカコイイですね。ビンの透明感や金属の表面への映り込みの表現など、本当に素晴らしいですね。バナナとパイナップルも本物の様に凄いですが、コンペイトウも可愛らしくて良いですね。w (´∀`)ノ

(^ー^)ノシ
Posted by もっずぱんつ at 2014年02月18日 23:22
それぞれの質感が伝わってきて凄いです。
金平糖、お茶でも使いますが可愛いですね。そんな瓶に入れるとオシャレです。
Posted by ましこ at 2014年02月19日 09:48
もっずぱんつさん。
ありがとうございます!
今回は堅い金属と柔らかい有機物が混ざっているので、かなり描き応えありましたね。
金平糖が一番難しかったです。

ましこさん。
ありがとうございます!
この金平糖は、瓶が空だと面白くないので思いつきで入れてみました。色合いに変化が出て結果オーライかなと。
Posted by Ryota at 2014年02月21日 09:08
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