この半年間、様々な紙をトライしてみました。
もともと細密な絵を描きたい私は、色鉛筆画を始めた頃からKMKケント紙を使ってきました。
ツルツルした表面は細密な絵に適していて、当初はあまり不満無かったんですね。
で、しばらく色鉛筆で絵を描いていると、色々な方とお知り合いになる。
また、海外の作家がどういう紙を使っているか?にも興味が沸いてくる。
当然ながら芸風から粗い目の紙は向いていないので、細目の紙を色々と試したくなる。
結果、この半年間に使った紙は・・・
KMKケント紙
VIFART 細目(ヴィフアール 旧コットマン)
ハーネミューレ・ボタニカル紙
BBケント紙
ARCHES(アルシェ 極細目)
の五種。
まとめると・・・
KMKケント紙
長所=安価、デザインナイフによる「削り」がやりやすい、サイズが豊富
短所=混色しにくい、顔料が深く入らないので色に深みが足りない
VIFART(ヴィフアール 旧コットマン)
長所=安価、混色しやすい
短所=デザインナイフを使うと紙がささくれてしまう、
ハーネミューレ・ボタニカル紙
長所=混色しやすい 顔料が深く入るため色に深みが出る、デザインナイフも比較的使いやすい
短所=高価、サイズがあまりない、強く描かないと顔料が入らない
BBケント紙
長所=混色しやすい、デザインナイフも比較的使いやすい、サイズが豊富
短所=そこそこ高価
ARCHES(アルシェ 極細目)
長所=発色が良い、顔料が深く入るため色に深みが出る
短所=ものすごく高価、デザインナイフを使うと紙がささくれてしまう、かなり強く描かないと顔料が入らない
こんな風になります。あ、これ、あくまで私の使用感ですからね。
使用した色鉛筆はカリスマカラーと三菱ペリシア。比較的柔らかめのものです。
堅めの色鉛筆、たとえばポリクロモスなんかだとまた違うと思います。
上記の使用感から、まずARCHES(アルシェ 極細目)は継続使用は厳しいという評価。
コットンを多めに含有しているせいか、色鉛筆にまとわりつくような感じがあり、かなり意図的に塗り込めるように塗らないと色が入っていきません。その代わり一回色が入ると非常に発色は良い。
でもとにかく高価。画材屋さんでF8ぐらいの20枚ブロックが18,000円くらいするんですから。
私みたいに粗製濫造するタイプにはちょっと向いていないですね。
続いてKMKケント。
非常に描きやすいですね。アルシェ使った後だと違う画材で描いているみたい。
デザインナイフで非常に綺麗に削れるので、動物の毛並み表現なんかには最適です。ただ、顔料がなかなか食いつかない。
なので多色混色は少々辛いですね。
VIFART 細目
歴史ある水彩紙でしかもお安い。廉価版アルシェ的な感じですね。
割とどこにでも置いてあって、画材屋さんじゃなくてもちょっと大きめの文具店にもあります。
色鉛筆画を始めたばかりの方には最適だと思います。
ただ、デザインナイフを使う時、紙の目に逆らうとささくれちゃう。
なのでナイフを多用する私にはちょっとその点だけがマイナスポイント。
BBケント紙
おなじケント紙のKMKケントよりは水彩紙に近い感じですね。
混色のしやすさ、発色の良さ、非常に良いですね。デザインナイフも使いやすい。お値段もKMKよりは高価ですが十分許容レベル。
ハーネミューレ・ボタニカル紙
水彩紙の中では一番なめらかな質感。逆にケント紙に近い感じ。
BBケントと同じく混色しやすく発色も良い。顔料の食いつきも文句なし。デザインナイフもケント紙ほどではないですが十分使える。
お値段がちょっとお高いけどアルシェ程じゃないですね。BBケントより少し高いかな?レベルです。
ということでBBケントかボタニカル紙かどちらかかな〜ってな感じです。
サイズは、BBケントはブロックだとF6まで。 バラでも全紙を買える。
ボタニカル紙はブロックでF8サイズまで。バラでも全紙を買える。
迷う所ですが、今回の絵はボタニカル紙で描いてみました。
何となく透明感ある発色で描けたかなと思います。
場所は中央線沿線の東中野。明大中野のそばですね。
左側は中央線の線路。
何てこと無い風景ですが、こういうのが好きなんだよな。
「木漏れ日の散歩道 中野区東中野」

サイズ A3(420mm×297mm)
制作日 2013年7月
支持体 ハーネミューレ ボタニカル紙
画 材 カリスマカラー/三菱ペリシア