2013年10月25日

色鉛筆。紙を試した結果の風景画。


この半年間、様々な紙をトライしてみました。

もともと細密な絵を描きたい私は、色鉛筆画を始めた頃からKMKケント紙を使ってきました。
ツルツルした表面は細密な絵に適していて、当初はあまり不満無かったんですね。

で、しばらく色鉛筆で絵を描いていると、色々な方とお知り合いになる。
また、海外の作家がどういう紙を使っているか?にも興味が沸いてくる。

当然ながら芸風から粗い目の紙は向いていないので、細目の紙を色々と試したくなる。

結果、この半年間に使った紙は・・・


KMKケント紙
VIFART 細目(ヴィフアール 旧コットマン)
ハーネミューレ・ボタニカル紙
BBケント紙
ARCHES(アルシェ 極細目)

の五種。

まとめると・・・

KMKケント紙
 長所=安価、デザインナイフによる「削り」がやりやすい、サイズが豊富
 短所=混色しにくい、顔料が深く入らないので色に深みが足りない

VIFART(ヴィフアール 旧コットマン)
 長所=安価、混色しやすい 
 短所=デザインナイフを使うと紙がささくれてしまう、

ハーネミューレ・ボタニカル紙
 長所=混色しやすい 顔料が深く入るため色に深みが出る、デザインナイフも比較的使いやすい
 短所=高価、サイズがあまりない、強く描かないと顔料が入らない

BBケント紙
 長所=混色しやすい、デザインナイフも比較的使いやすい、サイズが豊富
 短所=そこそこ高価

ARCHES(アルシェ 極細目)
 長所=発色が良い、顔料が深く入るため色に深みが出る
 短所=ものすごく高価、デザインナイフを使うと紙がささくれてしまう、かなり強く描かないと顔料が入らない

こんな風になります。あ、これ、あくまで私の使用感ですからね。

使用した色鉛筆はカリスマカラーと三菱ペリシア。比較的柔らかめのものです。
堅めの色鉛筆、たとえばポリクロモスなんかだとまた違うと思います。

上記の使用感から、まずARCHES(アルシェ 極細目)は継続使用は厳しいという評価。
コットンを多めに含有しているせいか、色鉛筆にまとわりつくような感じがあり、かなり意図的に塗り込めるように塗らないと色が入っていきません。その代わり一回色が入ると非常に発色は良い。
でもとにかく高価。画材屋さんでF8ぐらいの20枚ブロックが18,000円くらいするんですから。
私みたいに粗製濫造するタイプにはちょっと向いていないですね。

続いてKMKケント。
非常に描きやすいですね。アルシェ使った後だと違う画材で描いているみたい。
デザインナイフで非常に綺麗に削れるので、動物の毛並み表現なんかには最適です。ただ、顔料がなかなか食いつかない。
なので多色混色は少々辛いですね。

VIFART 細目
歴史ある水彩紙でしかもお安い。廉価版アルシェ的な感じですね。
割とどこにでも置いてあって、画材屋さんじゃなくてもちょっと大きめの文具店にもあります。
色鉛筆画を始めたばかりの方には最適だと思います。
ただ、デザインナイフを使う時、紙の目に逆らうとささくれちゃう。
なのでナイフを多用する私にはちょっとその点だけがマイナスポイント。

BBケント紙
おなじケント紙のKMKケントよりは水彩紙に近い感じですね。
混色のしやすさ、発色の良さ、非常に良いですね。デザインナイフも使いやすい。お値段もKMKよりは高価ですが十分許容レベル。

ハーネミューレ・ボタニカル紙
水彩紙の中では一番なめらかな質感。逆にケント紙に近い感じ。
BBケントと同じく混色しやすく発色も良い。顔料の食いつきも文句なし。デザインナイフもケント紙ほどではないですが十分使える。
お値段がちょっとお高いけどアルシェ程じゃないですね。BBケントより少し高いかな?レベルです。

ということでBBケントかボタニカル紙かどちらかかな〜ってな感じです。

サイズは、BBケントはブロックだとF6まで。 バラでも全紙を買える。
ボタニカル紙はブロックでF8サイズまで。バラでも全紙を買える。

迷う所ですが、今回の絵はボタニカル紙で描いてみました。
何となく透明感ある発色で描けたかなと思います。

場所は中央線沿線の東中野。明大中野のそばですね。
左側は中央線の線路。
何てこと無い風景ですが、こういうのが好きなんだよな。

「木漏れ日の散歩道 中野区東中野」
20131023.jpg

サイズ A3(420mm×297mm)
制作日 2013年7月
支持体 ハーネミューレ ボタニカル紙
画 材 カリスマカラー/三菱ペリシア
posted by Ryota at 10:43| Comment(4) | TrackBack(0) | 色鉛筆画/イラスト

2013年10月16日

色鉛筆。年賀状素材集「和の趣」発売。


昨年も掲載して頂いた年賀状素材集「和の趣 午年版」が発売されました。

DSC_0121.jpg

DSC_0123.jpg

昨年も掲載して頂いたのですが、昨年は四季をテーマに風景画を4枚描きました。
今回はオファーいただいてから納品までちょっと短かったことと、ちょうどフリーになるための準備期間と重なったため、
テーマなどを熟考する時間があまりとれませんでした。

そこで、ロケハン済みの写真の山から「日本家屋」に的を絞り、
「和の趣」というタイトルに合う、散策したくなるような風景を4枚描く・・・という方向へ。

結果として掲載されたページを見ると、同じような色合いのものになってしまい、
ちょっと変化に乏しいものになってしまった気もします。

しかし、「日本家屋」というテーマ(喜多院を日本家屋と言うには無理がありますが)からすれば
多彩で様々な場所を描くことができたような気もします。

来年またオファー頂けたらこのあたりは再考したいところですね。

本は技術評論社より定価1449円(税込)で全国有名書店で発売中です。
ご興味ある方は是非手にとってご覧ください。

ご購入いただけたらとてもうれしいですけど、ご購入まで至らなくても書棚の前の方に移して頂けるととてもうれしいかと(笑)。

因みにアマゾンさんでも購入可能

技術評論社さんサイト

posted by Ryota at 09:43| Comment(7) | TrackBack(0) | 色鉛筆画/イラスト

2013年10月10日

色鉛筆。高価な紙を使ってみる。


実は前から気になっている紙がありましてね。

水彩紙なんですが、他の紙と桁ひとつ違う。

メーカーは「ARCHES(アルシュ)」というフランスのメーカー。

荒目、中目、細目、極細目と紙の肌理によって4種あります。私の芸風に適切なのが極細目なんですが、よく使うサイズF6号くらいだと310mm×410mmで20枚綴りのブロックがラインナップされています。
このブックのお値段がなんと定価で10,290円(税込)!

いつも使っているBBケント紙がF6号(318mm×410mm)20枚綴りブロックで定価で2,625円(税込)ですから約4倍高価い!!

以前から「描き心地はどうかな〜」と大変気になっていたものの、そのお値段で手を出せずにいました。

しかたないのでバラで1枚買ってみるか・・・と思っていた所、某画材店で560mm×760mmのサイズ5枚セットを5,600円(税込)で売っているのを発見。
もちろんお得なのはブロックなんですが、万が一自分に合わないことを考えるとやっぱり手が出にくい。
なので、思い切ってこの5枚セットを購入。
DSC_0003.jpg

さぁ、描いてみましょう。
ドキドキ・・・。

いやしかし紙の厚さが300gあるので(BBケントだと175g)かなり安定感がありますね。
色鉛筆で描いてみると、紙に描くというよりはキャンバスに描いているような感覚。
なんか不思議ですね。

ただ、やっぱり色を濃く入れて行くにはちょっと力が必要かも。
グリグリという感じで描いていくとかなりコクある感じで仕上がっていきます。

自分でも色鉛筆で描いているというよりは油絵の具で描いているような感覚ですね。

描いてみたのはいつものお馴染み板橋区赤塚。

午前の明るい光を順光で描いた三叉路。

いかがでしょう?
今までの絵と差があるかな?

ま、正直そんなに仕上がりに違いは無いかもしれませんね。
ただ、原画を見ると重厚感がちょっとあるような感じはします。

どうしようかな〜。これからも使ってみたいけど・・・・。
お値段がな〜。

「朝日の三叉路 板橋区赤塚」
20131007.jpg

サイズ F6号(410mm×318mm)
制作日 2013年10月
支持体 ARCHES水彩紙極細目
画材  カリスマカラー/三菱ペリシア

上記の紙をF6サイズにカットして使っています。
posted by Ryota at 13:13| Comment(4) | TrackBack(0) | 色鉛筆画/イラスト

2013年10月03日

色鉛筆。朝ご飯の香りを描く。



フリーになってから、いわゆる通勤で自転車に乗るのでは無く、
早朝の2時間くらいを自由に乗る時間にしています。

そうすると、今まで通勤では通り過ぎていた場所が目についたりしますね。
板橋区赤塚もそんな場所です。

坂と緑の多い静かな住宅地。歴史あるお宅も沢山あって23区内とは思えないのどかな雰囲気です。

そんな朝のひととき。
何となく朝ご飯の香りが漂ってきそうな雰囲気。
樹木も建物も朝日を浴びてキラキラ輝く。
今日も頑張ろうかな・・・という一枚です。

しかしフリーになってから良いカメラがないので、絵の撮影が上手くいかない。

新しいカメラ買わなきゃかなぁ。

20131002.jpg

サイズ F6号(410mm×318mm)
制作日 2013年10月
支持体 BBケント紙
画材  カリスマカラー/三菱ペリシア


ということで今週末は銭湯で色鉛筆サロン!

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10月5日は色鉛筆サロン!
ご用とお急ぎで無い方は是非。

時間は15:30から17:30。
参加費 \1,000とワンオーダー。
場所は東武東上線「上福岡駅」徒歩7分。
参加希望の方は「銭湯カフェ・末広湯」さんまで。
TEL:049-261-2828(10:00〜20:00) Email:suehiroyu@nifty.com
http://suehiroyu.net/

メールでのお申し込みはフルネームでお名前とご連絡の取れる電話番号を明記の上、お申込ください。
posted by Ryota at 05:31| Comment(6) | TrackBack(0) | 色鉛筆画/イラスト

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