2013年04月24日

色鉛筆。珍しく観光地を描いてみる。



先々週、思い立って江ノ島までBRZで行ってきました。

ちょっと前にテレビで取り上げられていたUSB猫を探しに行ったわけじゃなくて、シラスが解禁になったんで生シラスを食べに(笑)。

夏やGWのシーズン前でしたが、けっこうな人出。

せっかくなので絵のネタもたくさん仕入れたんですが、やっぱりあまり人が写るところは描きたくない。

で、好物はもう人の入り込まない路地裏だったりするわけです。

だったら江ノ島じゃなくても良いじゃんって話ですが・・・(笑)。


今回の絵の舞台は、江ノ島の入り口から弁天様へ向かって登って行くメインストリート、そこからちょっと入る路地ですね。

ここだけ切り取ると、当然ながら海は見えないのでまったくどこだかわからない。

それでも、路地に注ぐ明るい日光と、風景を写す土産物屋さんのガラス。

これだけでもう「描きて〜」となるわけです。


ただ、反射はやはり難しいですね。

水面なら波紋などでごまかしも効くのですが、ガラスの場合完全なフラットな面。

そこへの反射と、透過してガラスの向こうの景色。

これをブレンドして描かないといけない。

ある意味、テカテカの金属などより難しい。

できるかぎり左側に描いた風景をそのまま右側のガラスに映すという、アナログならではの苦労をしながら描写。

こうしてみると・・・う〜ん、もうちょっとかな。

まだまだ勉強でございます。


「江ノ島散策 藤沢市江の島」

20130424.jpg

サイズ P10号(53cm×41cm)
制作日 2013年4月

posted by Ryota at 08:26| Comment(6) | TrackBack(0) | 色鉛筆画/イラスト

2013年04月17日

色鉛筆。東京の橋を描いてみる。


さて、今週描いた絵です。

「音無橋 北区王子」

20130417.jpg

サイズ P10号(53cm×41cm)
制作日 2013年4月

初っぱなからいきなり本題(笑)。

ここは都内有数の桜の名所、飛鳥山公園のある飛鳥山交差点のすぐそば。
この交差点は都内で唯一、路面電車とクルマが混走する場所でもありますね。
以前ここを絵にしたこともありました(今見るとその絵は強烈に下手なので、今回は掲載しませんが)。

その交差点の手前に音無橋という橋があります。
この橋は石神井川にかかる橋で、橋の下は親水公園になっています。この公園も渓谷のようになっており都内とは思えない閑静な雰囲気ですね。

今回はその親水公園ではなく、橋の上。

橋自体は何てこと無いですね。普通の道路。

ただ、欄干と街灯のデザインがちょっと変わっていて、電線が地中化されてまったく電柱がない様子と相まって、ちょっと日本っぽくない雰囲気を醸し出しています。

いつも自転車通勤でここを通るのですが、やはり日頃から気になっており今回ようやく描いてみることができました。

描いてみるに当たって難しかったのは、やはりこの特徴的な街灯。

コンピュータなら一つ形状を起こして、それをコピペで貼り付けていけばあとは大きさ調整するだけで良いのですが、当然ながら手描きですので一つひとつ描いていかなきゃいけない。

めんどくさい。わはは。

で、形も同じにならない。微妙にゆがんだり間延びしたり縮んだり・・・。

ま、でもこれが「絵」なのですね。「味」として肯定的に捉えましょう。



朝日に照らされた音無橋。ちょっと欧州風な感じもしませんか?



posted by Ryota at 07:48| Comment(6) | TrackBack(0) | 色鉛筆画/イラスト

2013年04月09日

色鉛筆。冬の樹木を描きたおしてみる!


私のFacebookページにも書いたんですけどね。

今週の新作できました!

場所は私が通っていた中学校の裏。

そこには東京都と埼玉県を隔てる白子川という荒川の支流が流れています。

中学校の頃はきったないドブ川だったんですが、やはり最近はきれいになってますね〜。

中学当時は当然ながら埼玉県側の和光市は学区外。友達がいるわけでなく、親戚もいないので和光市に足を踏み入れることはあまりなかったんですね。

それが、今年の1月に大雪でクルマが動けなくなり、島忠和光店にクルマを預かってもらってからちょくちょく行くことが増えました。

白子川に向かって東京都練馬区側も埼玉県和光市側も坂道が多い。

私にとって非常に美味しい風景がたくさんあるわけです。

今回も今年の2月頃にロケハンした和光市南の風景。通っていた中学のすぐ裏側です。

川から住宅地に向かって坂道があるのですが、ここはまるで山間部のようなつづら折りの道になっています。

こういう住宅地なのに「ちょっと違う」雰囲気が大好きなので、思わず10枚以上も写真を撮影。


また、瀟洒な住宅の反対側には武蔵野らしい雑木林。この対比も面白いですね。

今回最も苦労したのがこの雑木林の表現。

真夏や新緑の季節なら鬱蒼とした緑を表現するのですが、今回は冬の風景。

葉を付けていない梢はまるで空に細い線を引いたかのようにある種幾何学的模様を描いています。

これをどう表現するか?

何度もイエロー〜ブラウン系の色で下地を塗り、ひたすらデザインナイフで細い枝を描いていく。

そのあと、キンキンに尖らせた黒で細い枝に一本一本影を付けていく。

ひたすらこれを繰り返し、青空バックの梢はダークアンバーと黒でこれも一本一本描いていく。

まぁ、ある意味修行のような行程なのですが、次第に冬の木らしくなっていくのが楽しいですね。

あとは土手の枯れ枝や落ち葉の表現。これもひとつひとつ描いていくしかない。

まぁ、こういうときにデザインナイフは大変重宝するわけです。

さて、冬の雑木林、上手く描けていますでしょうか?

「小さなつづら折り 和光市南」
20130409.jpg

サイズ P10号(53cm×41cm)
制作日 2013年4月
posted by Ryota at 09:07| Comment(5) | TrackBack(0) | 色鉛筆画/イラスト

2013年04月05日

色鉛筆。「写真のように描く」ということ。


今日はちょっと最近感じたことをつらつらと・・・。


私の絵を見ていただいたからいただく言葉に「写真みたいですね」という言葉があります。

この間、他の作家さんのblogだったかfacebookページだったかで、「写真みたい」と言われることがあまりうれしくない・・・と描かれていました。


正直に言います。

「写真みたい」という言葉。私、いただいたらとてもうれしいです!



この絵に対しての批評=「写真みたい」という言葉には二つの意味があるのではないかなと思っています。

1まるで写真のように見える。すごいテクニック!(肯定的)
2写真と同じなら絵を描く意味ないじゃん。絵なら絵ならではの表現をすればいいのに。(否定的)


1は割と絵を描く方ではなく、絵を見て楽しむ方からいただくことが多いような気がします。
2は絵を描く方、もしくは絵の鑑賞が趣味のような方からいただくことが多いような気がします。

あまりうれしくないと呟いた作家さんは2の意味で捉えられるのかもしれませんね。

私にとっては1でも2でも正直どっちでも良いです。

「写真みたいですね」と言われたら、写真に近く色や形状を表現できているのだなと素直に喜びます。
「写真と同じでつまらない」と言われたら、「どの写真と同じですか?」と聞き返します。

私の場合、確かに写真を参考に描くことが多いですね。というかほとんどそうです。
街角の風景を描いていると、現実問題、街角でイーゼル立ててずっと絵を描くことは難しいですね。
時間ないし。また、昨今のご時世じゃ通報だってされかねない。

と言うわけで写真を沢山撮ってそれをベースに描くことが多いですね。
基本、実際の風景を自分の目で見て、そのイメージは頭に残しますけど。

だから、私の撮った写真を見て、「これと同じじゃつまらない」と言われるならわかりますし、同じと言われたら「そうなのかな」と思います。大いに反省し、努力をさらにしないといけません。
まぁ、実際には自分のイメージ優先して、撮った写真とは色々と変えて描いていますけどね。
それに、完全に写真と同じにはやっぱり描けません。そこまで上手くないし色鉛筆という画材の限界もある。


でも、漫然と抽象的に写真全般をイメージして「写真と同じ」と批判的に言われるならば、その言葉はほとんど気にしません。
何故ならその言葉は「写真」や「写真家」の方々にも大変失礼なんじゃないかな?と思うわけです。

だって「写真家」は沢山いらっしゃるわけですし、それぞれの方が個性を持って仕事をされているわけですよね。
「こういう絵(この場合は写真のことですね)が欲しいから、あのカメラマンに頼もう」とか、写す対象によって得意なカメラマンがいますので、そういう方に頼もうとか、それぞれ取捨選択するわけですよね。
私もグラフィックデザイナーですので、プロのカメラマンの仕事は目の当たりにします。

的確にディレクターの指示通りの写真を撮れるカメラマンはやっぱりプロですし、職人だなぁと思います。
「写真と同じでつまらない」という言葉は、「写真」や「写真家」の方々をも十把一絡げにしているような気がしちゃうんですよね。


自分もグラフィックデザイナーとして仕事をしているときは、やっぱり自分のことは職人だと認識して仕事をしています。
イラストレーションの仕事をいただくときもそうですね。職人です。

間違っても自分のことを「アーティスト」とか「芸術家」とか思うことはありません。

画家として絵を描くということは、単純に「クライアントからの指示で描くのではなく、自分のイメージで自分の好きなように描くこと」だと思っています。

クライアントからの指示が無いだけで、基本的にはイラストレーションの仕事と大差ありません。

要は職人的に描いているわけですね。

だから、技術を褒めてもらえる「写真のようですね」というお言葉が大変うれしいんですよ。

色鉛筆をメイン画材で絵を描いている売れない画家として自分を見ても、「アーティスト」とか「芸術家」という風に自分を思ったことは露ほどもありません。

あくまで「職人」ですね。画家としての自分も。

その職人が描いた絵にもしかして「芸術性」みたいなものを感じていただけたら、それはそれですごく嬉しいことです。

「写真のように描く技術」を認めていただくのと同じくらいに。


以前描いた絵と、その元となった写真。
比べてみていかがでしょう?

写真みたいに描けていますでしょうか?
それとも写真と同じでつまらない絵でしょうか?

どちらの評価でも私にとってはとてもありがたい評価ですね。

20130304.jpg

20130304b.jpg


写真みたいという言葉を否定的に捉えている方は一度、「ホキ美術館」を訪れてみてください。
写実絵画の現物を目の当たりにすると、「写真みたい」という言葉では表現できない圧倒的な迫力の絵画群にノックアウトされます。

ここに収蔵されている絵を見ていくと、自分がいかにまだまだ未熟であるか、いかに物事をちゃんと見ていないかを思い知らされます。

まだまだ勉強ですね。



それと、ちょっと前の話ですが・・・。

私もネットで見たことがあるのですが、ある色鉛筆画家がメディアに取り上げられたことがあります。

事故が元で仕事ができなくなった料理人が、リハビリを兼ねて色鉛筆で絵を描き始めた。
その絵はまさに写真のように緻密で、それが話題になり個展や絵の販売をするようになった。
徐々に話題になり、地方紙などで取り上げられるようになり、
絵の注文も増えてきて、実際に絵をオーダーした人の話もネットに載るようになる。

ところが、ある方が絵をオーダーすると、すごく短時間で出来上がってきた。
上がった絵を見てみると、どこかで見たような構図。
すでにメディアで発表されていた写真と同じではないか。
「さては写真を丸写ししたか!? 著作権上も問題になるのでは?」
さらに上がった絵をよく見るとうっすらとロゼッタパターンが見える。
ロゼッタパターンとは印刷の時に網点が重なって見える模様のようなもの。
要は、ただの写真印刷だったわけです。

「これは絵ではなくて、ただの印刷物のプリントアウトではないのか?」
と問いただすと10数万の代金が返却されてきた・・・。

その後、その画家のホームページは閉鎖され、販売サイトもクローズされました。個展も中止。



何とも示唆に富んだ話ですよね。


絵を描く人のモラル。絵を買う人の知識。


私の原画をご覧になった方はよくわかると思うのですが、間違っても近くで見たら写真と同じじゃありません。

色鉛筆のタッチが結構荒々しく残っていますし、デザインナイフで削った跡も生々しい。

雑というかラフというか。「写真と同じ」なんて言ったら「写真」と「写真家」への冒涜ですね。

でも、これが「絵」としての「味」なのですよ。


さて、がんばって絵の続きを描こうっと。

posted by Ryota at 17:24| Comment(4) | TrackBack(0) | 色鉛筆画/イラスト

2013年04月02日

色鉛筆。自宅周辺を描く。


あちこち出かけたり、地方へ行ったりすると実に魅力的な街並や風景を目にして、思わず「描きて〜」となり写真を大量に撮影したります。

また、自転車で走っているときに目にした風景などで、「あ〜ここ良いな〜」と思う場所などは後から改めてロケハンで訪れたりします。

そうやって私の風景画は増えていくわけですね。


でも改めて自宅周辺を見回してみると、まだまだ描いていない魅力的な場所もあります。

今回は以前描いた「小さな境界 練馬区貫井/中野区上鷺宮」という西武池袋線富士見台駅前にある路地。

ここを前回とは逆方向の入り口から見た風景です。

路地の向かって右が練馬区貫井。左側が中野区上鷺宮。

意外に都内の区界はこんな小さな路地だったりするものですね。

ちょうど駅前の商店を裏側から見るような感じですが、何とも昭和な香も漂い良い佇まいだと思いませんか?

まだまだ身の回りにも描いていない風景がありますね。


いつもは明るい日光と影を好んで描いていますが、今回は若干の薄日。

この雰囲気も路地に良く合っているような気がします。

「On the Border 中野区上鷺宮」
20130402.jpg

今回はちょっと大きめのP10号サイズで描いています。

posted by Ryota at 08:14| Comment(5) | TrackBack(0) | 色鉛筆画/イラスト

お帰りにクリックいただければ幸いです。
↓↓↓↓↓
にほんブログ村 美術ブログ 色鉛筆画へ

にほんブログ村