pixivなんかに絵をアップしていると、メイキングを見せてくださいなんて要望がけっこうあります。
ありがたいことですね。
一応、これでも絵の描き方を教えている身でもありますし、奥ゆかしくワザを隠すほどのテクニックでもありません。
前にもやりましたが、ここらで一発かなり詳しくメイキングを公開しちゃいましょう。
題して「風景画はこうやって描いている!メイキングその1」
んじゃぁ、早速。
今回は5月のグループ展に向けて、テーマを決めて描いています。
その中から1枚を仕上げるまでリアルタイムで公開しましょう。
サイズはP8号(455mm×333mm)。
ギャラリーの規格で今回はパネルにケント紙を水張りします。
8号以上のサイズであれば、紙だけで描くよりもパネルかケントボードの方が描きやすいと思います。

張り上がったパネルに20mm間隔でグリッドを引いていきます。方眼にする要領で。
中心の十字のみベージュ、後の線はブルー系で引いていきます。

今回のネタになる風景写真をプリントアウト。
私はAdobe Photoshopでトーンカーブをいじり、明度を変えた物2枚作成しています。
いずれの写真もAdobe Illustratorで15mm間隔でグリッドを引いておきます。

15mmグリッドの写真から20mmグリッドのパネルへ・・・。
つまり元の写真から133.3333・・・%拡大した絵をかくわけですね。
このグリッドによって、元写真から比較的正確に絵を描くことが出来ます。
ただし、カメラのレンズ効果で不自然なパースがかかることも多いので、完全に写真を写すことはせず自分なりの感覚で描き変えます。
早速下書きに取りかかります。
以前はグラファイト鉛筆で下書きしてましたが、鉛筆の線が少しでも残ると色鉛筆塗った時に濁るので、今は色鉛筆で下書き。
絵にもよりますがベージュ(Beige)かライトアンバー(Light Umber)使うことが多いですね。

所々ダークアンバー(Dark Umber)なども使いながらこんな感じで下書きします。

下書きはこれで十分。
早速色を塗っていきます。
どこから塗るか? もうそれはその時の気分次第。
ですが、やはり下地となる色から塗っていきます。
私の場合は黄色系から塗っていくことが多いですね。
樹木、道路、家の壁面や光の当たったコンクリートなど、空以外の場所はほとんど黄色成分を含んでいます。
今回は木々の下地から・・・。ごく普通の黄色(Canary Yellow)で塗っていきます。


次に道路。
ここは黄色でも良いのですが、影になる部分なので黄色よりも彩度が低めのベージュ(Beige)を塗っていきます。

同じように家の壁面も。

コンクリート製の壁(塀)も同じように。

ベージュ(Beige)の色鉛筆が短くなってきたので描きにくい。そこで瞬間接着剤・・・。

新品の色鉛筆に接ぎ木しちゃいます(笑)。

これはお尻が平らなカリスマカラーならではのワザ。
さて、今度は道路でも滑り止めのついた場所。かなり赤い色なので、「Terra Cota」という赤茶系の色で塗っていきます。

ザクザクとクロスハッチングで。このあたりは意外にラフな感じですよね。

パネルをぐるぐる回しながら・・・・。

シコシコと塗り込めていきます。

道路の塗りむらをクリーム系(Cream)で混色していきます。

コンクリート製の壁面も明るい所はクリーム系(Cream)で。


ゴツゴツしたコンクリートの塊などは、クリーム系(Cream)の上からグレー系(French Gray70%)で表情を付けていきます。

他の場所も・・・。

ということで、続きは次回!!